肌トラブル

Skin Trouble
肌トラブル
【美容薬剤師監修】「『浸透すれば効く』は誤解」?
【美容薬剤師監修】
「『浸透すれば効く』は誤解」?
肌の真実を探求し、健やかな肌を育む化粧品選びの新提案
肌の真実を探求し、
健やかな肌を育む化粧品選びの新提案
「この美容液は肌の奥まで浸透するから効く!」
「最新成分でシミ・シワにアプローチ!」
化粧品の広告で、このような言葉を目にする機会は少なくないでしょう。

しかし、肌の奥に届けば良いという漠然とした認識は、時に将来の肌を敏感にしてしまう可能性があります。

当協会が長年の探求を通じて、延べ2万人以上の肌を分析してきた表皮美容研究家としての経験から、化粧品の「浸透」の真実について深く考察し、その知見を基に新たな提案を行います。

このページでは、美容薬剤師の専門知識と、当協会の表皮美容研究家としての経験を融合させ、化粧品の「浸透」の真実と、肌のバリア機能を尊重した化粧品選びのポイントの概要を提案します。

私が長年研究してきた表皮の重要性は、医師の方々にとっても、必ずしも十分に認識されていなかった「角層」という部分にも深く関わっており、新たな発見が多くありました。

日本皮膚美容専門家協会は、皆様に肌の真実を探求する面白さをお届けし、肌の健康と美しさをサポートさせていただければと考えております。

美肌は健やかな肌でこそ、心から楽しんでいただきたい。
このページが、そのための知恵としてお役に立てば幸いです。
監修薬剤師:河野淳子(化粧品メーカー商品企画・開発、薬事担当)
執筆:市川ユキ(表皮美容研究家)
1. 知っておきたい! 肌のバリア機能の基礎
私たちの肌は、外部の刺激から身体を守り、体内の水分が蒸発するのを防ぐという、非常に重要な役割を担っています。その最前線に立つのが、皮膚の一番外側にある厚さわずか0.02mmほどの層、「角層」です。

角層は、「角層細胞」がレンガのように積み重なり、その隙間を「細胞間脂質(セラミドなど)」がモルタルのように埋めるという、緻密で強固な構造をしています。これが当協会が長年提唱してきた「肌のバリア機能」の正体です。

健康で美しい肌とは、この角層が整っている状態を指します。
角層が潤いを保ち、規則正しく並ぶことで、肌は滑らかでツヤがあり、外部刺激にも強い状態を保てます。
2. 化粧品の「浸透」とは? – 正しい理解のために
多くの化粧品が「浸透」を謳うのは、化粧品に含まれる保湿成分や機能性成分(有効成分)を、肌の表面だけでなく、角層内やその下の表皮、あるいは真皮上層といった特定の層に届けたいからです。

しかし、化粧品でいう「浸透」は、成分が肌の層のどこかに留まって働くことを指し、体内に成分が吸収されて全身を巡る「経皮吸収」(全身吸収)とは違うということです。

薬剤師の視点からも、化粧品は、あくまで肌表面とその近傍に作用することを目的とすることを強調いたします。

もちろん、ナイアシンアミドやビタミンC誘導体のように、肌の特定の層(例えば角層や表皮)に届くことで、よりその効果を発揮する成分も存在します。 そのため、一概に「浸透」が肌に良くないと断じるのではなく、どのような成分を、肌のバリア機能をいたわりながら、いかに適切に目的の場所へ届けるか、というバランスが重要になってくるのです。
3. 「有効成分だけ」で選ぶことの危険性
「〇〇成分が配合されているから効果があるはず」と、有効成分の名前だけで化粧品を選ぶのは、残念ながら十分ではありません。 化粧品の品質と効果は、どのような成分が、どのくらいの濃度で、どのように組み合わされ(処方され)、どのような形で肌に届けられるか、という処方全体で決まるからです。

例えば、ビタミンC誘導体という成分は、不安定で酸化しやすい性質がありますが、化粧品に配合する際には、酸化防止剤などの成分を加えて安定化させることが必要です。
また、有効成分を肌の目的の層に届けるためには、基剤(水や油)や浸透促進剤などの成分も重要になります。
4. 敏感肌予備軍にならないための化粧品選びのポイント
化粧品を選ぶ際は、以下のポイントを参考に、肌のバリア機能を守り育てることを重視しましょう。

・保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなど)が配合されているか
・肌への刺激となりうる成分(過度な浸透促進剤、アルコール、香料、着色料など)が少ないか
・低刺激処方であるか
・パッチテスト済みであるか

成分表示をチェックする習慣を身につけることも大切です。
成分表示は、配合量の多い順に記載されています。
成分表示に記載されている成分名をインターネットなどで調べて、どのような成分なのか、自分の肌に合うのかどうかなどを確認してみましょう。
5. 薬剤師と表皮美容研究家からのメッセージ
化粧品の「有効成分」や「浸透」という言葉だけに惑わされず、肌本来のバリア機能(角層の健康)を最も大切にするという視点を持つことが重要です。

健常な肌であっても、バリア機能を無視したケアは将来的な敏感肌につながる可能性があります。

薬剤師の視点からも、そして2万人以上の肌を分析してきた経験からも、これは強く言えることです。

肌の調子や状態は常に変化します。肌の声に耳を傾け、肌が求めているケア(バリア機能のサポート)を優先することが、一時的な効果に終わらない、健やかで揺らぎにくい美しい肌を育む基盤となります。

健やかな肌があってこそ、美容はより一層楽しくなるものです。 皆様が健康なお肌で、より豊かな美容ライフを送られることを願っております。 JASBE Online Salonではさらに深く掘り下げて解説しています。
(参考文献:セラミドに着目した敏感肌のスキンケア)
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